さらばローティーン/愛情ってなんだ?

さらばローティーン ---愛情ってなんだ?---



「あたしはさ、結局、じょりぃにとってオモチャでしかないんでしょ?」


え。


「なにそれ」とワタシ。
「だってそうじゃん。 じょりぃにとって、楽しい部分とか、都合のいい部分とかだけでつきあっていきたいわけでしょ?」
「そんなことないよ」
「あるよ。 ナース服がいい例じゃん。きょんさんには着せたがらないのに、あたしにだけは着せたがるじゃん。
 それって、あたしの人格を無視してて、じょりぃが楽しめればいいわけでしょ?」

ナース服は、合意の上で、と思っておりましたが。
確かに、きょんは別に着なくてもいいやーと思ってますし、ナナともそんな会話をしたことはありますが。
ていうか、こんなときにナース服云々ということが出てくるあたり、ワタシたちったらなんだかマヌケです。

「人格を無視してるわけじゃないよ。イヤなら着なくていいって言ってるじゃん」

ワタシなら、ワタシにだけ着せたがってくれたら、逆に浮かれますけど。
まあ、ナナはワタシに恋しているわけではありませんからね。(自虐)

「あたしと一緒には暮らせないって言うのもさ、要はあたしのイヤな部分を見たら、同じ気持ちでい続ける自信がないからでしょ?」
「気持ちが変わるかどうかはわからないけど、イヤな部分は見たくないね」
「ドキドキワクワクしていたいだけでしょ?」

それって大事なことではないのですか?

「ドキドキはしたいですね」
「あたしが老けたり太ったりしたら、じょりぃはあたしと、友達ですらなくなると思うよ」
「まさか(笑)」

と笑ったものの。   どうなのかな。   今と同じ気持ちではなくなるかも。
そして、そうなったら、今までのような濃い友達づきあいはできなくなるかも。

「でも、きょんさんには違うよね」
「いや。きょんにも、醜くなったら別れると日頃から伝えてあるよ」 自分のことは棚に上げてますもちろん。
「ううん。 きょんさんには違うと思う。
 だからあたしはきょんさんがうらやましい。 じょりぃとずっと一緒にいられるんだもん」


先に「恋愛感情はない」とハッキリ言われていたので勘違いせずに済みましたが。
言われていなければ、「この人ワタシのこと好きなんじゃないの?」と、絶対思いこんでしまうところでございました。
あー、釘刺しておいてもらってよかった。(イヤミ)

ワタシには、恋愛感情でもないのに、どうしてそこまでワタシを大切に思ってくれるのかがわからないのです。
ワタシの中にはない感情だからです。
「誰かとずっと一緒にいたい」(それが物理的なことでなくても)と友達に思うなんて、ワタシの中では存在しない感情なのです。

ナナの気持ちを理解するために、自分に置き換えて考えてみます。
たとえばなっちゃんが、ワタシが貧乏になったから離れていってしまうとか?
それはすごくショックだけど。

ショックで非常に落ち込むとは思いますが、「貧乏になったから」とか「太ったから」とか、そんなくだらない理由で離れていかれてしまったら、おそらくその人に対する尊敬や友情も激減することでしょう。
やっぱりうまく感情移入できないのです、ナナの言っていることに。
ナナが今言っているように思えてしまったら、ワタシはその人とずっと友達でいたいなんて思えません。

このへんに、ワタシとナナの「愛情」の食い違いが生じていたのでしょうね。
ワタシは「もしかして、(恋愛の)愛かも」と期待してしまっていたものが、ナナにとっては恋愛じゃない愛情だったわけです。
友情なの?これって。
ワタシにはよくわからないです。
ワタシったら、もともと友達には淡泊ですので、ホントにわからないです。

そして、ナナの「オモチャ」説も、ワタシには否定できません。
そう、いいところだけ見ていたい。そして勝手に妄想して、楽しんでいたいのですよワタシは。

・・・・・やっぱり人格を認めていないのかな。
好きという気持ちはおそろしく強いのに、ワタシはナナに対して「見たくないところ」を見ようとはしていません。
「それってホントの好きじゃないんだよ」と言う人がいたら、ワタシは猛烈に反論するでしょう。好きは好きです。アタマがおかしくなりそうなほど好きです。
ナナから「恋愛感情は今後もない」と宣言されても、結局好きな気持ちは変えられないのです。
好きで好きでしかたありません。

逆に、ナナはワタシに恋愛感情はありません。
が、おそらくワタシのどんな姿を見ても、どんな情けないワタシでも、おそらくナナの「愛情」に変わりはないでしょう。
ナナにあるのは、ただただ「じょりぃに幸せになってほしい」という気持ちであります。
もちろん、ワタシだって、ナナが幸せでいてくれることは第一義であります。
が、ナナがワタシの理想とするナナでなくなったときに、ナナに対する愛情が揺らがない自信がありません。
でも、今のこの状態では  って、キリがないのでやめます。

よくわからないです。


とにかく、今ワタシにわかっているナナの気持ちは、「今までもこれからもじょりぃに対しては恋愛感情はなく、キスもエッチもしたくない」という事実だけでございます。


今はだいぶ冷静になったので、このようにナナ側に立ったものの考え方もできるようになってきましたが、渦中は自分のことでアタマがいっぱい。
「恋愛感情はゼロ」ということしか頭にありませんでしたので、ワタシの落ち込みようは悲惨でございました。


「・・・そんなに落ち込まないで」 しばらくいろんな話をしたあとに、ナナが言いました。
「  うん」
「あたしにどうしてほしい?」
「放っておいてほしい」
「わかった。   電話もメールもダメ?」
「うん。  しばらくしたら、こっちからするよ。ケロっとしてさ」 と、全然ケロっとしなそうに伝えるじょりぃ。


電話を切って。



ああ。
ワタシ、これからどうしたらいいんだろう。
と、途方に暮れました。

とりあえず、強くならなければ。
今までどおりのつきあいができるように、笑ってナナと話せるようにならなければ。

でも、どんなに頑張ったところで、ワタシの望むものは得られないんだよな。


期待してない とか言ってたくせに。
人には「生きててくれればいいじゃないですか」「会えないよりは会えたほうがいいでしょ?」とかエラそうなこと言っておいて。
今ワタシが思っているのは「いっそ、もう会いたくない」ということでございました。
そうすれば、気持ちも消えてくるかも。
消えなくても、再会前の状態に戻しちゃったほうが、ワタシにはいっそ幸せかも。
ワタシの気持ちを知られていて、向こうにその気がないのも知らされて、それでもパパと仲良くしてるところをこれからも見ていくの?

イヤだ。

会いたくない。

でも、ナナは傷つくだろうな。
・・・なーんて、すぐにワタシがいない状態にも慣れるだろうけど。
でもパパが、ワタシと仲良くなってからはナナが落ち着いてるって言ってたし。
ワタシがいなくなったら、また不安定になるんだろうか。
でもナナもあの頃のナナとは違うし。 オトナになってるし。 強くなってるし。
ワタシにそんな影響力があるなんて、今ではとても思えないし。
ワタシがいなくても大丈夫だよきっと。


でも、好きだ。


どうしよう。 悲しい。
大事に思ってくれているのに、どうしてこんなに悲しいのか。
欲張りになったから? それもあるかもしれないけど。
やっぱり「この先も」が効いた。 効きすぎた。



なんであんなことわざわざ言ったの?
そのために、いろいろワタシから聞き出そうとしたの?
ワタシにハッキリと引導を渡すため?
それってひどいじゃん。

と、またそこに戻ってきてしまった、ネガティブの環にとらわれたじょりぃ。

だんだん、怒りに変わってきました。


翌日、「放っておいて」と言った舌の根も乾かぬウチに、ナナにメールを送ることになります。


つづく


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