さらばローティーン/さらばローティーン

さらばローティーン ---さらばローティーン---



翌日。
気分はどん底であります。
が、きょんやなっちゃんにそのことを悟られるわけにはいきませんし、日常生活をこなさなければいけませんので、表面上は明るくアホないつものじょりぃ。
ですが、ちょっと気がゆるむと、目がじんわりしてきます。
あーやだやだ。 これじゃ乙女みたいじゃん、ワタシ☆

じんわりしつつ、だんだんとナナに腹も立ってまいりました。
特に、「自分にその気がないのに、どうしてワタシの気持ちを知りたがったり、キスやエッチをしたいか訊いてきたりしたのか」というところにこだわりました。
たぶん、相当プライドが傷ついていたのでしょうワタシ。
ナナを責めることで、なんとか心のバランスを取ろうとしていたんだと、今はわかります。
が、そのときはもちろんわかりません。
しかも、悪い風に悪い風に考えます。
自分の好奇心を満たすために、それだけのために、ワタシの気持ちを知りたがったのか、という具合に考えが偏っていき、ナナを恨みました。

今になって考えてみれば、ナナが好奇心だけで、そんな自分にとっても厄介なことをワタシにしつこく訊いてくることはないだろうな、ということはよくわかるのですが、そのときはダークフォース(byスターウォーズ)にとらわれてしまっていたので、上記の考え以外浮かびませんでした。

あとになって、ワタシが信頼しているヘテロ女性のかたにそのことをお話してみましたら、
「じょりぃさんからすれば答えにくかった幾つかの質問は、ヘテロからすれば、そして相手のことを大事に思えば絶対に確認しておきたいことなのです。興味半分でそんなことを尋ねたりはしないですよ?」と答えてくださいまして。
言われてみればそうなのです。
マジメな人ならば、相手が自分のことをどう思っているのか、それに対して自分はどのように応えていけるのか、あるいは応えられないのか、きちんと正面から取り組んで考えてくれるのでしょう。
それは、ナナの誠実さからきたものだったのでしょう。と、深く合点が行ったのですが。

渦中のときは、まったく全然そんなこたあ頭に浮かばなかったこのワタシ。
自分の価値観を基準に考えて、好奇心を満たそうとしていただけだろうと、そればかりが頭を支配し、ナナに対して腹を立てておりました。
そちらの怒りに自分の感情の矛先を向けることによって、悲しみから気を紛らせようとしていたということもあったかもしれません。


そして、「放っておいて」と自分で言ったくせに、ナナにメールを送りました。
途中、「今ならこう思う」というツッコミも黒字で入っております。


放っておいてと自分で言っておいてアレだけど、これだけは言いたいので言わせて。
どうしてキスだのエッチだの自分としたいかなんて訊いたの?無意味なのにさ。
そんなこと訊かれなければ、私は伝えるつもりはなかったのに。
 伝えたかったくせに。伝えられて、あんなにホッとしてたくせに。

私の好きな人のことだって、知ろうとしなければよかったのに。
私から言ったわけじゃないよ。
 ああ、陳腐です。みっともない。
すべて自分の好奇心を満たすために訊いて、結果「もうどうでもよくなってきちゃったけど」な話で私はもうどうしたらいいかわからなくなっちゃってるわけだ。 全部人のせいにしてます。

考えてみれば昨日までとこれからと別に何も変わったわけじゃないんだよね。
ただ、私が勝手に傷ついてしまったというだけのことで、あとは私が今までどーりの顔ができるようになればいいだけのことだ。
悲劇のヒロイン状態です。

昨日のきょんのことにしてもそうだけど、訊いたってどうにもならないことをなぜ訊くの? 
話したってどうにもならないことは、私は今まで打ち明けずにきたのに。
 結局貫けなかったくせに。打ち明けることができて、それを受け止めてもらえて救われたくせに。
と責めたい気持ちでいっぱいだけど、訊いてくれたことによって楽になった部分もあったのは事実。

他にも言いたいことはあるけど、メールだしとりあえずこれだけ。
責めるようなことを言って悪いけど、と言いつつ、ホントはあまり悪いと思ってないです。
正直でよろしい。
ていうか、私が打ち明けなければよかったのだ、いろいろなことを。つうことで、やっぱ私が悪いのか。めでたし。何がめでたしだよ。



あーあ。
ワタシって、ガキっぽいなあ。 そして、ひたすらカッコ悪いですねこりゃ。
でも、送ったらちょっと気分がスッキリしました。 って、さらに最悪ですが。


夜になって、ナナから長い返事がきました。
丸ごと掲載するのはなんだか気が引けるので(今さらですが)、内容は変えずに、箇条書きにします。


・「どうでもよくなってきた」と言ったのはきょんさんとの事に関してだけです。

・キスとかについて聞いた事は好奇心からではないです。
 じょりぃが私をどういう風に好きかをきちんと確認したかっただけ。

・「好き」ということなら私だって好き。
 でもキスしたいと言う事とは異なる好きという事。ただそれだけ。



ここでナナが言ってくれていることは、本当はワタシにもちゃんとわかっていたことでした。
あらためて言われなければわからなくなっていたほど、ワタシの心はダークフォースに傾いていたのですね。


・じょりぃを傷つけてつらい思いや恥ずかしい思いをさせてしまったけど、
 じょりぃの気持ちを知っているのに、私が何も答えないでそのまま付き合っていくのは自分の道理に反するので、
 正直に言いました。

・何も言わないでいる事のほうが、なんだか思わせぶりな感じで嫌です。

・傷付けてしまった事は心苦しいし心配だけど、私としては好奇心を満たす為でないし。

・確かに私からの質問が多かったけどそれぞれがそのときに言いたい事を言い合ったとの認識です。
 だから、それぞれの嫌な思いはそれぞれの責任だと思いますので私も悪かったとは思いません。
 そしてじょりぃも何も悪くないよ。

・ただ答えたくなければ答えなくていいはずだし、私の話は聞きたくないといえたはず。

・でも、いずれはきっとズレは生じてくるはずで又それに対してお互いが苦しくなると思うよ。



ワタシよりもはるかに筋が通っております。 ぐうの音も出ません。
ワタシが「全部人のせい」にしていることも、バレバレにバレております。くすん。


私は散々じょりぃを傷つけておいて、そんな落ち込むじょりぃがなんでだか愛しいと思ってしまう。
きょんさんに対しての「いつかいなくなったらどうしよ」というのを目の前できいたら抱きしめてしまうかもです。
だから情けない事言えばいいよ。そういうことであればもちろんナースのかっこで出番を待ちます。
がキスやHは別です。という勝手な待機なわけですが。
善人づらがお気に召さないとこでしょうが。
あるいは必要でなければそれはそれでよいです…。



くやしい。 負けた。
と、なぜかこれを読んで思いました。
むこうのほうがオトナで、ワタシ、勝負になっていない気がしました。

もうダメだ。 もういいや。
本当に恋愛の土俵にはこの人いないんだな。(だからそう言ってるじゃんか)
この「すべてを受け入れる」とも取れるような感じは、まさに「母の愛」でございます。
(ワタシのことなんてどうでもいいだけだったりして・・・)

ナナの「愛しい」という言葉が純粋に嬉しい反面、なんだかさびしい気持ちになるじょりぃ。
強欲です。 自分がこんなに意地汚いとは知らなかった。


・きょんさんの事に関しては悪かったしきょんさんとじょりぃとの事も大きなお世話で悪かったと思います。
 ごめんなさい。

・と思いながらもその不安な気持ち、きょんさんに伝わってるのかなとつい思っちゃう。

・そしてきょんさんに対して憎らしいという感情に結局なる。
 そこで「オメーがいぅなー」と怒ればいいさ。



・・・これからも言われるのかしら。
そしたらワタシは「オメーがいうなー」と怒ればいいのか。
いいのかな?
要は「あたしのかわいい息子(娘より男の子供に対する気持ちに近い気が)の不出来な嫁」として、きょんのことがたまに憎らしくなる、ということでしょうか。
それならわかりやすいです。
でもどうして、ここまでワタシを我が子のように扱うのかはまったくもってわかりませんが。

 
・私の考えや気持ち伝わった?
 それに対して受け入れろとか理解してとか言っるんじゃないよ。

・だけどいいじゃん今までどうりで、(無理か)
 私はかえって楽に付き合っていける方に賭けたんだけど。

・ということで、私は今とても平穏です。



・・・・ちぇ。
ひとりで平穏になられてしまった。
もっと悩んでくれ。 と、未熟なじょりぃは思いますが、もう一方で大人なじょりぃは「よかった」と思っております。





昨日、所用で、用件だけの簡素なメールをやりとりしましたが。
それだけで、上記のメール以降は連絡を取っておりません。
ワタシの受けたダメージはけっこう大きくて、まだ今までどおりに振る舞える自信がないからです。


が、時間が経つにつれ、ワタシの心は変化してきました。
もう会いたくない、と思っていた気持ちはなくなりました。 会いたいです。
会いたいけど、今はまだ会えません。 たぶん、拗ねた態度を取って困らせてしまうからです。


そして。 だんだん思いだしてきましたが。

ワタシ、この人に自分のカムアウトを上手に受け入れてもらえて、すごく救われたんだっけ。
ワタシのナナへの思いも、抵抗なく受け入れてくれて、態度もつきあいかたも変えずにいてくれたんだっけ。
今のところ、ワタシがぶつけたすべてを、この人は受け入れてくれてるんだっけ。


「っけ」が続くと、まるでどこかの方言のようでありますが。


ナナが、ワタシに対しての気持ちを、ワタシにぶつけてきたのはこれが初めてなわけです。
ぶつけた、と言っても、ワタシの気持ちに答を出すという形のものですが。
しかも、実に誠実に、ウソをつかず、ワタシを大事に思いつつ、伝えてくれたわけです。


ワタシはこれに背を向けようとしていたのであります。
今までさんざん自分の気持ちにつきあわせ、受け止めてくれた人の誠実な告白を、自分の思い通りでなかったからという理由で拒絶しようとしておりました。
相手を責めておりました。
今までずっと、こちらの一方的な気持ちを受け止めてくれていた人の気持ちを。

ということに、やっと気づきまして。
遅かったような早かったような。
とにかく、気づけてよかった。
ゴメン、ありがとう、ナナ。 と、今では思えます。 あーよかった。



「これから先も、恋愛感情に変わることはない」「キスやエッチの好きとは違う」と言われ、そのことに対するショックはまだ抜けませんが。
希望が閉ざされたような悲しみでいっぱいですが。


それでも、やっぱり好きだし。
これはもうどうしようもないことです。
脳に上手に穴でも開けてもらわないことには。
あ、ナナが醜くなればいいんだ。 なーんだ。 って、それもなんだかですが。


何が言いたいかというと。


ここまで言われて、まだあきらめていないワタシなのです。
何をあきらめていないのか、よくわからないんですが。


ナナとワタシの間にある感情は、「友情」という既存の単純なカテゴライズに属するものではない、と、ワタシは感じています。
また独りよがりなのかもしれませんけど。
いわゆる「恋愛」(これも既存の単純なカテゴライズによる)とも、確かに違うでしょう。
そもそも、ワタシはナナとエッチしたいという欲望は強くありませんでした。
キスもエッチも、気持ちの到達点として手に入れたかっただけです。
カラダや欲望が主軸にあったわけではありません。


なんというか、ナナとワタシの間だけで成立する、深い愛情の形が存在するのではないか、という風に思えるのです。
他には適用できないから、それこそ「ナナとワタシ」という愛情、としか言えないのですけど。
そして、安易に「恋愛」しているそこらの輩(って誰なのかしら)の愛情に比べて、それは決して劣るものではないのではないかと。


楽観的です。
都合が良すぎます。


しかし、今のワタシの大切な希望の光です。
とりあえず、「既存の恋愛感情・恋愛関係」にこだわるのはやめます。
考えてみれば、母親が子供を思う愛って、ものすごいものですから、(まあ、ナナの子供たちと同じように思われているとはワタシだって全然思っていませんが)「そういう気持ち」と言ってもらえたということは、深い愛情をワタシに持っていてくれているということです。

そして、実は問題があるのはワタシのほうです。

ナナを好き好きと言いながら、煮え切らないこのワタシ。
きょんの愛情に疑問を感じながらも、きょんと別れる気のないこのワタシ。
いいところだけ見ていたい、ときめいていたいというこのワタシ。

・・・・こう書くと最低ですが、すべて事実でございます。

ナナとワタシの、ワタシたちだけの愛情の形があるのなら、ワタシはそれを見極めてみたいです。
あるいは、追いかけ続けてみたいのです。
途中でなくなってしまうものなのかもしれませんが、それならそれで、最期を見たいです。


というわけで。


激しく落ち込んで、それこそ「世界の終わり」のような気持ちでいたワタシでありましたが。
どっと落ち込んで、すでに浮上体勢。(さすがはO型と言われそう☆)
「強くなれるんだろうか」と心底心配でしたが、思いの外タフでした。ワタシの精神力。
そして、楽観しながら、あるときは悲観しながら、形を変えてこれからもナナを追いかけていきます。
今のところ、それ以外にワタシが立ち上がるきっかけがないからです。 タフとか言いながら、ホントは弱いからです。
どんな形でもいいから、希望に手を引かれていたいのです。独りよがりなものであっても。
そしてこう言いながら、これからだって「キス」をあきらめないんでしょうね。

ナナも気の毒ですねえ。
誰かに惚れられてしまうというのは、惚れてしまうよりも厄介なものでございますね。


中学の頃から、こと、ナナに関してだけは成長が止まっていたワタシ。
あの頃の気持ちを引きずり続けていたワタシ。

その引きずっていた、ある意味幻のようなものは、ナナによってピリオドが打たれました。
たぶんワタシは、それがショックだったんです。
大事に大事にしてきたものがなくなってしまった。
それは何かと問われれば、「ナナへの想い」というよりは、ワタシの独りよがりな「純粋さ」というエゴだったのだと、今は理解できます。
そして、ナナにはそれがわかっていたのではないでしょうか。
ハッキリとわかっていたのか、潜在的にわかっていたのかはわかりませんが。とにかく、バレちゃってたんです。
ナナを愛しているフリをして、ナナから反射される、当時の純粋な自分の姿を愛していた、という部分も大きかったのです。

ナナの気持ちに関しては、もう考えてもどうすることもできません。
ハッキリと「じょりぃの気持ちとは違う」と告げられました。
「この先も、それは変わらない」ということも。

といういろんなことがわかった今でも、やはりナナを好きです。
そしてナナも、「いーじゃん今までどうりで」と言ってくれています。

中学で恋をして、再会までの「死ぬまでに一度でいいから会いたい」と思っていたところまでが、ナナワタ第一章。
再会から今までがナナワタ第二章。
と、今勝手に決めさせていただきましたが。


「ナナとワタシ」という関係は、第三章へと向かうことになりました。
相変わらず、独りよがりで勝手でいびつな形ではありますが。




なんて言ってて、ナナのほうではもうどうでもよくなってる可能性も大。
は、はやく完全復帰して、連絡を取らなければ忘れられてしまいます。


君は僕を忘れるからその頃にはすぐに君に会いに行けると、大好きな民生クンも歌っておりますので、忘れられても会いに行っちゃいますけど。


ということで。


ワタシは実年齢のワタシになって、「ナナとワタシ」という関係に、あらためてチャレンジでございます。





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